溝口北口第3駐輪場 敷地内の放置が顕著 市、指定管理者が対応策
自転車放置対策が長年の課題になっている溝口駅周辺において、北口にある第3駐輪場では敷地内への放置自転車が顕著となっている。適正利用者の不公平感を払拭しようと、市や指定管理者が対策に本腰を入れている。
放置自転車対策が急務となっているのは武蔵溝ノ口駅北口自転車等第3駐車場。総合高津中央病院の隣接地、旧平瀬川を暗きょ化し2008年にオープンした。収容台数は自転車455台、バイク40台、自転車の一時利用料金は100円。
一見、整然と自転車が止められているように見える同駐輪場だが、近づくと車輪を固定するラック以外の場所に放置された車両が目につく。ラックとラックの間やフェンス際など、敷地内のあらゆるスペースに駐輪されている。
「注意しても無視」
市によると同所の違法駐輪台数は約200台に達することもある。管理人1人で定期的に敷地内を巡回しているが、バイク利用者の対応や、自転車を整理する業務もあり、常に違法駐輪を監視している訳にはいかない。「注意して無視されることもある」(管理人)という。
水路上に設置された同駐輪場は、入屋橋から商店街通りまで約200mの細長い屋外施設。管理所は商店街通り側の出入口付近に一箇所あるのみで、もう一方の出入口は死角にあたる。一時利用の料金は機械による自動清算、また雨に濡れない高架下部分は管理人の目が届きにくい位置にあることも放置の一因だ。
ややこしいのが、病院側(見取り図(A))のフェンスで囲まれている部分は通路も含めて駐輪場であるのに対し、反対側は駐輪場(同(B))と公道(道路)がほぼ一体となっていること。自転車等放置禁止区域に指定されている道路への放置車両は即時撤去が可能だが、駐輪場(同(A))内は同禁止区域ではないため、条例により即時撤去はできない。
高津区役所道路公園センターが行った4月23日の調査では、雨天にもかかわらず道路側に128台の違法駐輪が確認された。これを受け、予告した後の27日には同場所で初めて撤去を行い、カラーコーンを置いた。すると「どうやら(隣接の)駐輪場内への放置が増えた」(船津真生同センター管理課自転車対策担当係長)と、放置場所が移動した可能性も生じた。船津さんは、新たな駐輪場整備を放置自転車対策の一つに挙げた。
「不公平感なくしたい」
4月から同駐輪場を管理するのは、指定管理者である川崎市交通安全協会・NCD共同企業体。古牧憲次常務理事は「利用者と放置者の不公平をなくし、より快適に利用できる駐輪場にしたい」と話し、市の要請も受け早速、周辺にある空き駐輪場の案内を掲載した張り紙等で移動を促している。「まずは放置しないように案内を徹底」し、警告、撤去はその後との方針で臨む。
建設緑政局自転車対策室の鈴木勝博調整担当課長は「(適正に利用する)市民からも改善を望む声が寄せられている」と話し、「道路公園センター、指定管理者と連携し、正しく利用してもらえるよう努めていきたい」と積極的に状況改善に取り組む姿勢を示した。
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4月19日