1日1万歩、歩こう会 結成47年、前進に意欲 世代超えた交流も
歩くことで健康を維持しようと誕生した「高津区1日1万歩、歩こう会」(石塚卯三夫会長/88歳)は、47年目を迎え会員の高齢化が進んだ今も地域イベントに積極的に参加するなど、活動意欲は衰えを知らない。今後、若い世代との交流を進めようと新たな取り組みも模索している。
歩こう会が発足したのは、東京オリンピックが開催された翌年の1965年。市民の体力増強とスポーツ振興に加え、多くの人が参加することによって生まれる交流を明るい街づくりに活かそうとの主旨もあった。
名称がユニークだったことから新聞やラジオ等でも報道されたため、第1回のイベントから約400人を動員した。市立高津小学校から宇奈根河川敷、再び同小に戻る、およそ1万歩のコースを歩いた。当時は割烹着姿や下駄を履いた参加者もいたという。
活動日は原則として毎月第3日曜日。一時は約800人いた会員も今は高津区民を中心とした約500人になった。宮前区と高津区が分区したことや、大人数で歩けるコースが少なくなったことも会員減の一因だ。年に2回、溝ノ口駅から山梨県や千葉県、小田原市内までの直通列車をチャーターし、現地で歩く「列車ハイク」も企画している。
情報発信の重要性に着目し、約30年前からは月1回、会員向けに機関誌を発行。視覚にも訴えようと、会長自らが表紙の絵を描く。
平均年齢は77歳〜78歳で、最高齢は98歳の男性。30万歩から300万歩まで、節目の歩数に達すると表彰されることもモチベーションの維持に一役買っている。毎年約80人が何らかの表彰を受けており、300万歩表彰の受章者も過去十数人。「家に閉じこもっている高齢者の参加を促すことも重要。活動の中で生まれた絆はかけがいのないもの」(石塚さん)という。
新たな企画も模索
新しい取り組みにも意欲的だ。6月3日に会として参加した多摩川美化活動では、高津・宮前区から4000人超という参加規模に注目し、その場にいた宮前区長に「皆で歌うとか、より交流が深まる企画があっても良いのでは」と話したという。
「若い人にも入会してほしいね」。役員の佐藤守さん(76)、会計の山田峰雄さん(69)と頷き合った石塚さん。今、機会を増やしたいと考えているのが若年層との交流だ。
毎年、市立高津小学校では昔遊びを児童に教え給食をともにする。「牛乳パックのたたみ方など、教わることも多くてね」と相好を崩す。「PTAの皆さんと接する貴重な時間でもある」
出会いから生まれる交流を育みつつ、会はこれからも歩き続ける。
問い合わせは、石塚さん(【電話】044・822・8282)まで。
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4月19日