市バス運行ミス 発生件数 対目標に黄信号 前年度比は3件の減
市バス運行ミスが相次いで発生したことを受け、今年度の目標に「ミス20件以内」を掲げた川崎市交通局だが、7月25日現在でミス11件と約4カ月間で目標値の半数を超えた。前年同期比では3件減となったものの、交通局ではミスを起こさないよう基本の確認を再度徹底していくという。
川崎市バスで発生した運行ミスは、ほとんどが経路誤りで占めている。2010年度に72件発生し、58件が経路誤り。翌2011年度は運行ミス39件のうち経路誤り36件。前年度比では減少傾向にあったが、依然高水準で推移していたことから交通局ではミス撲滅を重要課題としていた。
前年度末には学識経験者や民間バス事業の実務経験者ら、外部有識者からなる改善委員会の答申を受け、局内部の取り組みと合わせた対策も打ち出した。
2012年度は7月25日までの約4カ月間で運行ミス11件、うち経路誤りが9件発生した。前年同時期は運行ミス14件、うち経路誤り12件だった。
今年度発生した経路誤りでは、9件全てがそれぞれ異なる交差点で起き、本来進むべき方向と異なる方向に進行した。経路誤り以外の2件は、どちらも行き先表示の誤り。
市交通局では今年度、ドライバーへの過度なプレッシャーを軽減させる意図から、懲戒処分の対象となる案件を除き個別の即日公表は控えているが、ミスをした運転手には即日ヒアリングを行い、指導をすることで対応している。発生したミスの状況を営業所会議等で議題に上げるなど、営業所間の情報共有も行っているという。
前年多発の8月
2011年度の8月に発生した運行ミスは、ひと月あたりの平均3・25件を大きく上回る7件、うち経路ミスは6件だった。
川崎市交通局自動車部安全指導課の高木担当係長は、「(今年度のミスの)分析はし切れていないが、一瞬の気の緩みもあるようだ。運行表や車内放送、方向幕の確認など、基本動作を徹底すれば防げるミスが重なっている。(20件以内という目標に対し)現状の数字は厳しいが、今一度きちんと取り組んでいく」と話している。
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3月29日