不活化ポリオワクチン 供給量不足で接種困難 川崎市「年度内には安定」
乳幼児対象の急性灰白髄炎(ポリオ)定期予防接種で、川崎市は先月10日から不活化ワクチンを導入した。しかし市内の協力医療機関では急激な需要増によってワクチンが不足し、予約がとりにくい状況となっている。
春の「接種控え」も要因
厚生労働省は今年7月、これまで使用されてきた生ワクチンが、ごくまれに麻痺が生じるなどのリスクがあったため、予防接種実施規則を改正し、リスクのない不活化ワクチンへの変更を正式決定した。接種方法はこれまでの経口摂取から注射による皮下接種に変わった。これを受けて川崎市では、毎年春と秋に各区で実施してきた集団接種を廃止し、市内の協力医療機関での通年による個別接種に実施方法を変更。市がワクチンを購入し、協力医療機関に配布する方法をとり、開始日を9月10日からとした。しかし、ワクチンの不足によって予約に対応できない医療機関が相次いでいるという。
不活化ワクチンの供給不足について市健康福祉局予防接種担当によると「メーカーの供給が需要に追い付いていない」と説明する。その要因として不活化ワクチンの導入を見すえて、既に昨年頃から生ワクチンの接種を控えていた保護者が多く、それが開始直後の一時的な需要増につながったとみている。同担当によると、「例年なら、ほぼ100%」という接種率が今春は対象者数の46・4%と異例の低さだった。ただし、全国主要15都市の平均も62・2%と、「接種控え」は全国的な傾向と分析する。
川崎市では先月、対象者に郵送で供給量不足を通知。「対象者は限られている。メーカー等に確認し、年度内には全対象者が接種を行える見通し。焦らずに接種を受けてほしい」と呼びかけている。不活化ポリオワクチンの定期予防接種は、現時点で生後3カ月から7歳6カ月未満の間に3回。国内の臨床試験後、追加1回の接種も対象となる予定。すでに生ワクチンの接種を受けている場合は回数によって接種が異なる。また11月には、不活化ポリオワクチンを含む4種混合ワクチンの導入も予定されている。
問合せは市健康福祉局予防接種担当【電話】044・200・2440まで。
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4月19日