かわさきサポステ 若者の就活支援に尽力 蟇田所長「諦めないで」
今年、大学を卒業した若者の就職率が前年に比べ改善したとされる中、高津区溝口の「かわさき若者サポートステーション」には日々多数の人が就職や進学に向けた相談に訪れている。同施設の蟇田(ひきた)薫所長に、現在の若者の就職に関する傾向などを聞いた。
求職者の職業的自立を支援する「かわさき若者サポートステーション」は、2010年7月の開所以来、15歳から39歳までを対象に、日々多くの利用者に就職、進学のためのアドバイスを続けている。
同施設への登録者数は、開所から2010年末までに265人、2011年末までに598人、今年9月30日現在で計777人に増えた。登録者数には、就職だけでなく進学希望者なども含まれる。
登録した人のうち、今年9月末までに進路が決定したのは計391人で、半数近くは何らかの進路が決まったという。
しかし、正規雇用での就職は依然厳しい現状が続いている。同施設によると、開所から今年7月までの3年間で、進路決定者計358人のうち正社員として就職した人数は15%にとどまる。一方、派遣社員や契約社員など非正規雇用での就業が決まった人は61%に上っている。このほか、職業訓練が12%、進学が7%、その他が5%と続いた。
サポートステーションは、キャリアコンサルタントなどの専門家による就職相談のほか、無料のパソコン講座や心理相談なども実施。11月10日(土)には、引きこもりなどの子を持つ親向けに「子の就職を考えるセミナー」を麻生市民館で開催するなど、保護者支援にも力を入れている。
蟇田所長は「全国の大卒者の内定率は改善したと報道されているが、100社、200社を受けても、書類審査で1社も通らない人もいる」と就職戦線の厳しさを指摘する。何度も不採用通知を突き付けられる若者に寄り添い続け、根気良くアドバイスを継続することで、中には徐々に内定を取ることができるようになる子も現れるという。
「諦めないことが大切」と蟇田所長は強調する。「一人で悩んでいる子には、ぜひ相談に来てほしい」
大卒内定率はわずかに改善
文部科学省と厚生労働省が進めている全国の内定・就職状況調査によると、今年3月の大学卒業生の就職率は93・6%。前年(91%)よりわずかに改善した。
文部科学省が今年8月に発表した学校基本調査では、今春、大学を卒業したのは約56万人。このうち、進学も就職もしていない人は約8万6000人に上った。また、進学準備や就職活動を行っていない人数は約3万3000人とみられている。
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3月29日