シベリア抑留を語り継ぐ 高津市民館で資料展示会
第2次世界大戦後、多くの日本人が旧ソ連各地で強制労働に従事した歴史を後世に伝える「シベリア抑留関係展示会」(主催・財団法人全国強制抑留者協会)が11月30日から12月5日まで、高津市民館12階ギャラリーで開催された。
抑留者たちが劣悪な環境下で絶命した戦友の死体を運ぶ姿や、飢えのあまり食料の幻覚を見るまでに疲弊した様子。会場には、過酷を極めた生活を抑留体験者らが思い出しながら描いた絵画がずらりと並んだ。
このほか、ハバロフスク地方などの収容所跡の写真をはじめ、抑留や引揚げの歴史年表、当時の人々が実際に着用していた防寒着や靴、使用していた水筒やスプーンなど貴重な資料を多数展示した。
12月2日には、抑留経験者が当時の体験を語る講演会を実施。21歳から約3年半にわたりシベリアに抑留された遠藤尚次さん(86)が強制労働の実態を語り、平和の尊さを訴えた。講演会はこの日2度にわたって開催。同会によると、詰めかけた来場者計約100人は、真剣な表情で遠藤さんの言葉に耳を傾けていた。
同展で神奈川県展示会実行委員長を務めた遠藤さんは「参加者から『またこの催しをやってほしい』という声が多かった。講演では、皆が真剣に聞いてくれて嬉しかった」と話していた。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>