災害時、帰宅困難者を安全に避難誘導する態勢づくりの促進を目的に、高津区防災ネットワーク会議は10日、区内の主要駅や一時滞在施設などで、帰宅困難者対策訓練を初めて実施した。
今回の訓練は川崎市直下で午後5時、市内で震度6弱を観測する地震が発生したと想定。首都圏の鉄道が運行を停止したとの設定で、初の実働訓練を行った。
帰宅困難者役として、区内の各滞在施設などから職員ら計約40人が参加。それぞれが「高齢者・足腰が弱い」「大学生・土地勘がない」など、さまざまな設定が記載されたゼッケンを付け、JR武蔵溝ノ口駅、東急溝の口駅に散開した。区役所職員らは無線で一時滞在施設の開設を確認後、駅員と連携し、参加者をてくのかわさきや、ノクティ2にある高津市民館に誘導。情報伝達体制や誘導ルートなどを確認した。ノクティではエレベーターが停止したと想定。参加者らは階段を上がり、12階にある滞在所にたどり着いた。
訓練には高津市民館など区内の一時滞在施設8カ所をはじめ、JR武蔵溝ノ口駅、東急溝の口駅、市交通局、高津区役所、高津警察署、高津消防署などが協力。参加した女性は「実践的な訓練を体験できて良かった。ただ、高齢の方には階段を上るのが大変かもしれない」と話していた。
秋岡正充高津区長は「災害時に大切なのは情報伝達、避難所への市民の誘導、滞在施設の開設と運営。今回の訓練を踏まえ、防災力向上に取り組んでいきたい」と語った。
市によると、東日本大震災発生当時、市内の施設を利用した帰宅困難者数は約5500人。高津区内では4施設に計343人が一時滞在した。今年3月の市の地震被害想定によると、武蔵溝ノ口駅、東急溝の口駅で発生する帰宅困難者数は6364人に上るという。
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