福岡県福岡市で今年10月に10人が死亡した医院火災を受け、川崎市はこのほど、市内の病院などに特別立ち入り検査を実施し、高津区では計54件の違反があることが分かった。高津消防署は違反があった施設への改善指導を徹底するとしている。
市消防局は福岡市での火災発生後、川崎市内で入院設備がある病院、診療所など全107対象に、書面を通じ、危機管理の徹底を促す注意喚起を実施。その後、10月15日から31日まで、市内の全対象で特別立ち入り検査を行った。
その結果、違反が見つかったのは計57対象で、違反率は53・3%と過半数を上回った。違反件数は計162件だった。
高津消防署(鈴木富夫署長)では同16日から31日まで、区内の計18対象で検査を実施。計14対象に違反が認められ、違反件数は54件で市内最多だった。
同署によると、区内での違反内容は、消防計画の不備などの防火管理関係が33件と最も多かった。次いで「防火扉や消火器が壊れている」「消火用のスプリンクラーが正常に作動しない」などの消防用設備等が8件、防火扉の付近にソファや植木などが置かれ、扉の開閉ができないなどの避難管理が6件、燃えにくい素材でできた絨毯(じゅうたん)やカーテンを使用していないなどの防煙関係が4件、防火のための点検、報告に関する不備が3件と続いた。
同署は違反があった施設関係者に対し、改善指導、防火安全対策の徹底を進めるとしている。鈴木署長は「速やかな改善指導を徹底し、火災予防の推進を図ります」と語った。
市消防局によると、高津区内の一部の病院、診療所では、同一施設で複数の違反が見つかるケースが少なくなかったという。要因として同局は、一部の施設での危機管理意識の希薄さを指摘。「違反があった施設には日々の点検を徹底してほしい。すぐに改善に取り組み、安全、安心の病院、診療所を目指してほしい」とした。
高津区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|