川崎の古代史への市民の関心を高めてもらおうと、市内で唯一現存する前方後円墳を含む蟹ヶ谷古墳群の発掘現場見学会(主催・市教育委員会、同古墳群発掘調査団)が3月8日、神庭特別緑地保全地区(蟹ヶ谷97の5)内で開催された。
川崎市は昨年度から、専修大、日本大の考古学教授らからなる多摩川流域遺跡群研究会と連携し、5カ年計画での同古墳群調査を進めている。
同地区では、前方後円墳のほか、円墳2基も発見されており、いずれも6―7世紀ごろに造られたものとみられている。今年度は2月26日から3月14日まで、実際に発掘調査を続ける。
この日は、発掘現場で4回にわたり見学会を実施。計560人が参加し、調査研究について語る川崎市市民ミュージアム学芸員の新井悟さんの解説に熱心に耳を傾けていた。
これまでの調査で、前方後円墳の周囲に、古墳を区画していたと考えらえる周溝が発見された。また同古墳からは、6世紀の終わりに作られたとみられる埴輪の破片が多数出土している。
参加した嶋田けい子さんは「何の知識もなければこれが古墳だとは分からない。実物を見られて良かった。これをきっかけに、古代史の勉強にさらに興味が湧いた」と話した。
市と同研究会は来年度以降も発掘を継続し、見学会を開催するとしている。
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