3月19日付で高津警察署長に就任した 古宮 忠男さん 溝口在住 53歳
「地域の安全は信頼で作る」
○…着任間もない高津区の第一印象は「マンションが多いけど、緑や畑もある。思ったよりゴミゴミしていないね」。人口22万人の安全を守る署員220人を統括する。「地域のために仕事をする、基本を守る、家族や仲間を大切にする」と着任時にこの3点を伝えた。特に、警察内部を取り締まる監察官の経験から、規則を守ることに徹底した意識を置く。「署員とその家族に悲しい思いはさせない。そのために、一人ひとりと言葉を交わし、信頼関係を築いていく」。署員らの働きが地域の安全を作るからだ。
○…大学卒業後、親戚の勧めで警察官に。「3交代制なら趣味の畑ができるって思った」と笑う。だが、最初に配属された戸塚署管内で殺人事件が発生。地域課の通常勤務に事件捜査も加わった。休日はゴミ置き場の遺留品捜索に駆り出され、1カ月間働きづめの毎日。「下っ端は文句も言えないし、足は豆だらけ。血尿も出たな」と仕事の厳しさを知る。一方、地域から深夜パトロールに感謝する声も聞かれるようになった。「やりがいは地域に感謝されること」、それに尽きる。
○…足柄上郡中井町出身。代々農家を営む家に生まれた。「煙草の葉を刈ったりするのを手伝うと、手がヤニで真っ黒になるんだ」と懐かしむ。「昔は畑を手伝いたくなくて」と始めたのは野球。長身と肩の強さを見込まれピッチャーとして活躍した。大磯高校時代は現巨人軍の原監督と対戦したことも。「甲子園は夢のまた夢だった」と笑うが、青春の日々は鮮明に残っている。
○…娘3人、息子1人、妻、母の7人家族。中井町の自宅へ戻れば「畑をいじったり、子どもを駅に送ってあげたり」と一家の主の顔だ。就職を控える娘、息子らに「一人ぐらいは警察官を候補に挙げてほしいね」と本音がちらり。同じように署員にも守る家族がいることを肝に銘じる。「気負いはあまりない。これまで通り、地域と連携して地域の安心、安全を守っていく」
|
|
|
|
|
|
3月29日