本紙は就任から1年を迎えた福田紀彦市長にインタビューした。待機児童の解消や中学校給食の導入といった市長選で掲げた公約の進捗に加え、新たな手法を取り入れた市民参加型市政の手応え、2年目の抱負などを聞いた。(聞き手/川崎支社・原田一樹)
――市長就任から1年が経ちました。振り返ってみてどうですか。
「全力疾走した1年でした。早かったという印象です。しかし、職員がよきチームの一員となってくれ、一丸で市政に取り組めていると感じています。まだまだ改善していくところはたくさんありますが、いろいろな取組を通じて(各区役所等)現場と本庁がお互いを理解し合い、互いにそれぞれすべきことをなしてくれていると思います」
――市長選で掲げた公約の進捗は。
「短期、中期、長期、4年間でのお約束ですから、それに向けて全力で進めているところです。
保育所の待機児童の解消、中学校給食の導入、Wi-Fiの導入や地域の寺子屋事業など、短期に取り組むべき施策が緒に就いたことはいいスタートダッシュがきれたと考えています。
待機児童に関しては2015年度ゼロに向けて一定の手応えを感じています。ゼロと言っているため、期待が大きくなって需要も喚起されると思いますが、その保育ニーズとサービスをマッチングするなど、きめ細かく対応し、ぜひ実現させたいと思います。
中学校給食に関しては16年度中に実施する予定で、スピード感を持って進めています。手法についてもセンター方式と決めました。これまでも学校やPTAなどの方と情報共有しながら合意形成を図ってきましたが、今後も丁寧に説明していきたいと思います。
その他、介護の分野では、要介護度が上がるとより多くの介護報酬が施設に入る仕組みを見直し、要介護度の改善により成功報酬が支払われる仕組みづくりに取り組んでいます。歴史的に新しい挑戦をしてきた川崎市として、ぜひ道を切り開いていきたいと考えます。
一方、小児医療費助成制度などまだ緒に就いていない課題もあります。少子高齢化による扶助費のアップや、今年は特に国からの交付税が見込みを大幅に下回ったことなど財政的にも厳しい状況が続いていますが、その中で優先順位をつけ、市民に対する説明責任を果たしながら進めていきたいと思います」
――各区の車座集会など市民との直接対話の手応えは。
「すごくいいです。そこでいただける提案や改善ポイントなど気づかされることがあります。また、質問をしている人以外の参加者が質問者の考える問題を聞くことで、街づくりの課題の共有化にもつながるという副次的な効果も生まれているようです。
また現在、市の総合計画の策定を進めていますが、今回初めて市民の皆さんによる検討会議を立て、行政からの計画を提示するのではなく、最初に市民の皆さんが参加し作っていく方法を取り入れました。そこでも私が知らなかった課題を知ることができ、次の改善へとつなぐきっかけとなっています」
――2年目の抱負をお聞かせください。
「2年目の終わりは任期の折り返しになります。市民の皆さんとお約束したものについて、その実現に向け、引き続き最大限の努力で取り組みます。今年5月に川崎市を含む東京圏が国家戦略特区に指定され、9月には羽田連絡道路の整備が示されるなど、新しい動きも生まれてきています。この新しいことに対しても積極的に取り組み、首都圏をけん引する川崎市を目指してチャレンジしていきたいと思います。また、住民の満足度の高さに比べ対外的なイメージがいまだによくないので、川崎市の良さをしっかり発信し、皆さんが住んで誇れるまちにしていきたいと思います」
高津区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|