11月に行われた第46回全国吟剣詩舞道大会で優勝した紫虹流紫虹会で指導にあたる 星野洲虹(しゅうこう)さん 溝口在住 48歳
詩吟と笑顔で心を結ぶ
○…日本古来の吟詠、詩舞などの伝統芸道の全国大会で、22年ぶり2度目の優勝を果たした。35人1組で詩吟の実力を競うこの大会に、紫虹会の指導者として出場。「入賞できれば良いと思っていました。だから、優勝と聞いてびっくりしたのが正直な気持ちです」。参加した62団体の頂点に立っても決しておごらず、謙虚な感想を語る。「一緒に出場した全員が息を合わせ、気持ちを一つにすることができたのが勝利に結び付いた」と振り返る。
○…溝口で紫虹流紫虹会を興した祖母と、指導にあたっていた母が多くの生徒に詩吟を教えているのを、幼少のころから間近で見ていた。「小学校に上がる前には、もう自然と詩吟をうたっていました。日本舞踊を始めたのは5歳のときからです」。その後は中学、高校、そして短大時代もずっと、主に週1回ずつ詩吟と詩舞の稽古に励む日々だった。子どもが好きで、20歳から近隣の子どもたちなどへの指導を始めた。「教えるのが楽しくて夢中になった」と話す。
○…現在では溝口だけでなく、茅ヶ崎や大和などへも指導に赴く。「趣味と仕事が一緒になったようなもの」。話しながら時折浮かぶ柔和な笑顔と、舞踊で身に付けた上品な振る舞いが多くの生徒を引き付けるのだろう。たまの休みは小説を読んだり、小学生の甥とさまざまな所へ出掛けたりするのが楽しみ。その甥も9月に開催された全国大会の幼年の部で吟詠2位、詩舞3位に輝いた実力者で、今後のさらなる活躍に期待している。
○…一家で歴史を紡ぎ、来年で創流50年を迎える。詩吟の魅力を問うと、歌う漢詩の随所にみられる「人へのおもいやり」や「親孝行」などへの気持ちを、詩から学べることだと教えてくれた。今後は「特に若い人に詩吟の魅力をアピールし、次世代を担う人たちを育てたい」と夢を語る。熱意を抱き、紫虹会の伝統を未来へつないでいく。
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4月19日