県美容業生活衛生同業組合の副理事長などを歴任し、県民功労者表彰を受けた 田崎 義謹(よしのり)さん 新作在住 74歳
美容で幸せづくりに貢献
○…神奈川県美容業生活衛生同業組合で副理事長などを務め、美容業を目指す若者の育成などに優れた業績を残したとして、今年7月、県民功労者表彰を受賞した。「もらえると思っていませんでしたから、受賞できて大変嬉しいです」。謙虚な言葉で喜びを語り、県知事から手渡された表彰状を大切そうに見つめた。
○…末長にオープンして46年の美容室を経営。同店では美容師の妻とともに仕事に勤しむ。自身は美容師ではなく、店舗運営や美容グッズの販売などに注力している。若者への指導にも関心が高く、15年前からは、市内の中学校への出前授業に参加。美容業界への就職を夢見る若者は少なくなく、美容室経営の面白さや辛さを毎年語っている。長崎県の出身で、人気俳優・福山雅治さんと同じ小、中学校を卒業したことを授業で話すと「子どもたちは目を輝かせて話を聞いてくれますね」と、生徒との思い出を笑顔で話した。
○…長崎で育った記憶を辿ると、4歳だった1945年の夏の日が脳裏に蘇る。原爆投下の瞬間は、爆心地から30キロほど離れた諫早市内の祖母の家にいた。「鏡で反射したような光が『ピカッ』と光るのが見えた。しばらくしたらお腹の底に響くような、どーんという爆発音。立ち上った雲で太陽が覆われ、辺りが暗くなった」。懸命に生き抜く大切さを学んだ幼少期を経て、21歳で上京。タイプライターなどの事務機営業販売の職に励んだ。販売で訪問した美容雑誌の出版社で社長と意気投合し、同社に引き抜かれたのが美容業界との出合いだった。
○…趣味は中国語会話。川崎市の姉妹都市・瀋陽市を訪れたのが契機で、言語の奥深さに惹かれた。今後の目標を尋ねると「組合で老人ホームなどを訪問して、介護が必要な多くの方々へのカットを提供するサービスにもっと力を入れたい」。美容を通じて人を幸せに。地域貢献への情熱は終わらない。
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4月12日
4月5日