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高津区版 公開:2016年2月19日 エリアトップへ

高津物語 連載第九三三回 「青陵岩精作『武陽玉川八景之図』」

公開:2016年2月19日

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 溝口丸屋鈴木七右衛門に関する史料は、文政四年(一八二一)に散失した所為か極めて少ないという。

 しかし『武陽玉川八景之図』は『光明寺と矢倉沢往還―川崎市高津区光明寺文書調査報告書』(川崎市博物館資料収集委員会)に口絵写真として収録、昭和六十二年三月に発行されている。

 江戸時代後期の『綱下げ道道しるべ」と共に「東京都世田谷区立郷土資料館蔵」に保管されている。

 他に保管している中原図書館等に伺ったり、講演等も聞いてみたが、今日に至るも判然としなかった。

 結局、自分で調べることとなって、書棚を漁った。

書庫に「青陵岩精」はなく「海保青陵」が出て来た。

 儒教の身分差別思想を徹底させたのは、海保青陵である事が明記されていた。

 海保は、篠山藩士で徂徠(そらい)学を学び、「生まれて何処へも出ず。唯一遍三十四歳の時、伊勢へ代参した他は、常時、江戸住まいだった。

寛政元年(一七八九)三十五才になって、初めて諸国を遊歴した。

 北は丹波、南は紀州、西は讃岐・備中、東は江戸から越後を結んだ国内、今日の関東・中部・近畿地方一円と中国地方では、岡山、四国は香川を範囲とする各地を旅行し見聞を広めているのである。」(『日本思想体系』第四十四巻「本多利明・海保青陵」集、岩波書店)

 『善中談』で「被差別民を、異民族で良心を持たぬものとし、名前も外国風に変えさせ、額に入れて墨をして、他の身分とまぎれぬようにせよ」と主張した、大変な保守反動と目される人物である。

 この人物が「青陵岩精」と同じ人物であるかどうかは、現在の所、不明である。

 が同一人物とすれば「武陽玉川八景之図」を書いたのは、青陵岩精三十六才であり、その後「東海道を往来にては、十遍通れり。木曽を二遍、北陸道を一遍通れり、滞りて遊べる所は三・四十か所、山へ登りて見る事、大小数百なり。」という様に東海道、中山道、北陸道沿線へ頻繁に足を運んでいて、溝口とも近い存在であると思われる。


 

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