大山道研究家として古道を研究し、大山街道フェスタで講師を務める 中平 龍二郎さん 宮前区在住 78歳
古道を求め歩き続ける
○…江戸の庶民が大山詣の道として利用した赤坂御門から伊勢原市の大山阿夫利神社に向かう大山街道。その研究を続け約30年、全長約70Kmの道のりを1区間6Kmほどに分け、約2千回歩いてきた。「朝、昼、晩で違う顔がある。歩くたび魅力を再発見する」。大山道のガイド本を出版したほか、講演会やウォーキングイベントに招かれ県内や東京を飛び回っている。3月6日の大山街道フェスタでは「歩いて楽しい二子・溝口」と題した講演会の講師を務める。
○…世界地図を見るのが好きだった少年時代。特に地名を知るのが好きで、日本民俗学の祖・柳田國男の著書を読んで本人に手紙を送ると、直々に会って学べることに。「地名を知るには地形を知らないと」が柳田の口癖だったという。國學院大学を出て、地図出版社に入社。当時住んでいた武蔵野市から宮前区に越してきた際、地元農家との会話から大山街道の存在を知り、奥深い古道の魅力に惹きつけられた。「地図は道を探すためのツール。地図を持ち歩いて地形と歴史との関係を知ることが醍醐味」
○…世田谷区出身。戦時中は埼玉や四国などを転々とした。どの土地に行っても外に出て遊ぶ活発さを持ちながら、「山で食べられる植物はだいたいわかる」と学ぶことが好きな面もうかがえる。現在は2人の孫を持つおじいちゃん。「先日4歳の孫も大山を登ってね」と嬉しそうな笑顔を見せる。気分転換はテレビゲームという意外な一面も。
○…調査では現地の人の話を聞くことを大切にしている。「農家の人に話しかけると5人に1人は地元の歴史を詳しく教えてくれる。そこでできた繋がりは宝物」。現在休みは月に2、3日という多忙な日々だが、「父は95歳まで2Kmの道も歩いていた。まだまだこれから」と熱意がみなぎる。「ここ数年は鎌倉道の研究も進めています」と充実した表情。未知の道に思いを馳せ、期待に胸を膨らませる。
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4月19日