高津区版 掲載号:2016年3月25日号 エリアトップへ

高津物語 連載第九三八回 「海保青陵」

掲載号:2016年3月25日号

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 「海保」「階方」姓は、溝口の古刹日蓮宗「宗隆寺」の開祖者の姓。寺名の由来は『新編武蔵風土記稿』の溝口村に「小田原北条氏分国ノ頃當所ニテ二十二貫四百文ノ地ヲ海保新左衛門カ知行セシコト役帳ニ載ス」と記されている。

 当時の溝口村地頭は、在地領主で、初代住職が「階方(海保)宗隆」から付けたことが判る。

 『武陽玉川八景之図』は、寛政三年(一七九一)完成、作者は青陵岩精、三十六才。本名は海保青陵により描かれ、版元は江戸馬喰町二丁目、森屋治兵衛である。販売元は溝口村の丸屋七右衛門(二十一才)である。

 岩精は、寛政元年(一七八九)三十五才で、江戸青山を始めて出立、京都に行く途中、親戚の多い溝口に立寄り、描いた絵図と思われる。

 武陽は南武蔵、玉川八景は、多摩川に近い溝口地方の「八景之図」を、近江八景に模した和歌である。

 前面に「世田の落雁―近江路を堅田を瀬田にうっしけり、雁の名告げて人に知らさむ」「喜多見の晴嵐―実を結ぶ梅の雨とて南寄り、喜多見に晴るる朝嵐かな」「二子の帰帆―夕風を孕んで帰るむしろ帆に、月の生まるる二子涼しき」「溝口ノ墓雪―六月の雪を沢山塗り桶に、つつみ余りたる溝口の暮」「宿河原ノ晩鐘―入り相の鐘には花の江戸っ子も、皆散りかかる宿河原道」「登戸ノ夕照―登戸の口も真っ赤に夕照の、映り過ぎてや色のささ色」「向ヶ丘ノ秋月―綱下げの秋の月見を夏の日や、あつき利生に祈誓かけたり」「都筑丘ノ夜雨―大松に近き都筑の夏木立、嵐時に夜の雨かな」を中心に、後方に「大山」「枡形山稲毛三郎城址」「富士山」「身延山」「高尾山」「秩父山」「府中明神」「三峰山」「小金井桜」「深大寺」「御岳山」「駒井」「武蔵社」「和泉」「日光中禅寺湖」「喜多見砦」「萩守城址」「筑波山」を描き、中央真ん中に「七面山」と思しき山が描かれている。おのおの現在の「津田山」と違って、一つ山で、七本の登り口が描かれ、その登り口に行く道として、大山街道から「綱下松・聖松道」が伸びている。
 

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