日本民家園でボランティア活動に取り組む「炉端の会」で代表を務める 水野 鉄夫さん 下作延在住 66歳
300年前に思い馳せ
○…日本民家園で20年以上にわたりボランティア活動に取り組む「炉端の会」の会長にこの春、就任した。国や県の重要文化財が立ち並ぶ野外博物館の運営に欠かせない存在となっている同会。一昨年発足20周年を迎え、今年3月にこれまでの活動を記録した記念誌を発行。当時は副会長で記念誌の編集責任者を務めた。「自分はたまたま責任者だっただけ」。編集を通じて諸先輩方の活動を振り返り、その苦労に触れた。「記念誌を棺おけにまで持っていきたいと言ってくれる方もいて、とても嬉しかった」
○…「炉端の会」に所属するメンバー271人のまとめ役だ。「会長としてはまだこれから」と謙虚な姿勢を崩さない。自身は6年前に入会。園内を案内する中で、来園者からの質問に「いい加減に答えられない」といろいろと学芸員に聞いていたものの、そのうちに聞くのが悔しくなり、独学で古民家や歴史について学んだ。「調べれば調べるほど感動がある。会の皆さんも学ぶことに熱心。ボランティアは楽しまないと」
○…静岡県の出身。駿府城を身近に感じながら育ち、20代のころから全国のお城めぐりをするようになった。「城の石垣に手を当てると当時の声が聞こえてくるような気がする」とロマンチストな一面も。外資系ITメーカーに就職し、結婚を機に川崎市に移り住んだ。日本民家園の存在を知ったのは定年間近。その魅力に取りつかれた。「緑に囲まれた古民家の中で鳥のさえずりを聞きながら、300年前の大工の棟梁が削った柱に寄りかかって、当時の人たちの生活に思いを馳せる…最高だね」
○…早朝の散歩や野菜作りなど定年後の生活を楽しんでいる。会の活動を通して知り合いも増えた。「生田緑地は科学も歴史も芸術も集う場所。川崎の子どもたちの寺子屋のような場所にできないか」という野望をひそかに抱いている。「子どもたちに、今の暮らしがいかに豊かかを知ってほしい」
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4月19日