選挙権年齢が18歳に引き下げられる参院選の投開票が7月10日に行われる。区内高校でも政治参加意識を育む授業が行われ、10代の投票が注目される。
※ ※ ※
高津高校は現3年生対象に、市選挙管理委員会を招いた授業を実施。4月には総務省と文科省が作成した副教材を使用しながら、公職選挙法や選挙の仕組み、政党の情報の集め方などを説明した。
今回の参院選で選挙権を持つ同校の櫻井亜美さんは「東京五輪や地震をニュースで見ると、このままどうなるのかという疑問がある。せっかく選挙権がもらえるので投票にはいきたい」という。また、坂本真輝さんも「投票に行ってみたい。任せるからには、直に候補者に会いたい気持ちもある」と関心を寄せる。
一方、候補者を選ぶ難しさを感じている声もある。国枝飛鳥さんは「生活にどう関わるのかが分からず、政治に興味がもてない。正直、投票は面倒くさい」という。公民科の寒河江隆教諭は「政治が生活につながるような伝え方が重要。18歳に引き下げられ、授業で、生徒の反応はあり、興味は高まっている。ディスカッションなど参加意識を高める授業をしたい」と話す。
洗足学園中学高等学校では昨年末、高校2年生240人を対象に主権者教育授業を行った。若者の投票率の低さをテーマにしたディスカッション、14年衆院選の各党マニフェストを使った政策比較、模擬投票を実施。授業後のアンケートでは、約9割の生徒が投票に行くことに対して肯定的だったという。
授業を受けた平野奈津子さんは、「実際の各政党の政策一覧を見てこんなに細かく分かれているのかと驚いたと同時に選ぶことの難しさを知った」、細貝歩加さんは「自分には関係ないと思っていたが、授業を受けて一主権者であることを実感した。(選挙関連の)TV、新聞、インターネットを見るようになり、駅前の演説やビラも意識するようになった」と話す。
公民を担当する香川真人教諭は「高校生のうちから政治に関心を持ち、選挙を通して意見を言う意識を持つことは重要」とする一方で、授業で「政治的中立性の確保」の難しさもあるという。「『どこまで踏み込んでいいのか』という迷いはあるが、深く触れない中立性より、多角的な見方、主体的に学ぶ力をつけて議論していかないと政治への関心は高まらないと感じている」という。
区選管によると6月21日時点での区内有権者数は18万5384人。10代は3500人程と見られる。
高津区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>