9月1日の防災の日を受けて、高津高校で8日、東日本大震災発生時に釜石市で被災した及川穂乃佳さん(岩手県立黒沢尻北高校2年)と中継し当時の様子などが語られる「防災教育」が3年生を対象に行われた。震災時の津波を目の当たりにした同年代から「命を守る大切さ」が生徒に伝えられた。
この防災教育は、同校公民科の寒河江隆教諭とこの日講師に招いた武井修さん(明星大学教育学部非常勤講師)が釜石東中学校で学習指導のボランティアを行っている縁で実現した。
当時小学5年生だった及川さんは、震災発生時、通っていた鵜住居小学校で津波に襲われ避難した経験がある。
及川さんは「逃げている時は考えている余裕はなく、峠の頂上から津波が街を襲っているのを見て信じられなかった。夢の中にいる感じだった」と当時の様子を生徒たちに語った。さらに、現在の部活や文化祭、将来の夢など、スクリーンを通し生徒たちに語りかけた。
最後に同校生徒へのメッセージを求められると、「自分の命を大切にしてほしい。誰かを助けるためにも、まずは率先して自分の命を守って」と伝えた。同校の生徒からは「自分の経験を語ってくれたこと本当に尊敬します。他人事でないということを伝えてくれてありがとう」とスクリーンを通じてお礼が言われた。
同校の有村悟さんは「ニュースなどでは伝わらない及川さんの切実な思いが伝わってきた。生きるために防災に関する正しい知識を身に付けなければと感じた」と感想を話す。
寒河江教諭は「震災時の津波を体験した同世代の声を聞いてもらいたかった。及川さんと接したことで少しでも災害を身近に感じてもらえれば」と話す。
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