区内千年で2人で営む出版社「レイライン」発行の言論誌「arc(アーク)」が創刊15周年を迎えた。最新号では一昨年市内初の国史跡に指定された「橘樹官衙遺跡群(たちばなかんがいせきぐん)」を16ページにわたって特集。その他にも著名人へのインタビューや寄稿コラムなど全160ページの読み応えある内容。編集長の東郷禮子さんは「15周年に満足せず、これからも信念を貫いた雑誌を読者に届けていきたい」と話している。
今年で創刊15周年を迎える言論誌「arc」は、「広告に頼らず、閉塞感のある時代に風穴をあける雑誌を」と、東郷禮(れい)子さん(71)=人物風土記で紹介=が編集長を務め、津田みや子さん(69)と2人で年1度発刊する。東郷さんは2001年にフリーの編集者から一念発起し、出版社「レイライン」を設立。毎号テーマを決めて取材対象者に手紙を書いて直談判。「直筆の手紙が一番想いを伝えられる」。これまで小説家の沢木耕太郎さんや映画監督の想田和弘さんら著名人が多数登場してきた。発行部数は3千部だが、根強い愛読者を持ち、全国の書店などで購入できる。
昨年11月に発刊した最新号20号では「古刹、影向寺遺跡探訪」と題し、加藤虔裕副住職や宮田進総代にインタビューして橘樹官衙遺跡群を特集。「長年この地に暮らし、いつも散歩道にしている影向寺をいつか特集したかった」と東郷さん。インタビューに加え、半年間かけて市教育委員会などが所蔵する膨大な資料を読み解き、1300年以上の歴史を紐解いた。
東郷さんは「全国発行の言論誌ではあるが、これらも地元の歴史などに光を当てていきたい」と今後の取材にも意欲を見せている。
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