高津消防団の団長に就任した 森 勝夫さん 久末在住 72歳
「何事にもひた向きに」
○…今年で創立70周年を迎える高津消防団の第11代団長にこの4月から就任した。団長交代式では、河原金藏前団長から団旗を引き継ぎ、「130人の団員とともに、地域の安全・安心のために一生懸命働いていきたい」と決意を語った。
○…高津区久末で代々農家を営む家系に生まれ育つ。夏場は朝4時、冬でも5時には畑に入る生活を続けて60年。「やっぱり今でも収穫の時期は嬉しいね。手を掛けた分、野菜はちゃんと応えてくれる」と笑顔で語る。味や品質に定評があり、昨年100回を迎えた久末農産物品評会。自身が農作業に使う小屋にはこれまで品評会で評価された数々の表彰状が並ぶ。「おかげさまで久末の農業には若い跡継ぎも多く、積極的に新しい品種に取り組むなど心強い。この地域の伝統として、ぜひ今後も都市農業のモデルとしても頑張ってほしい」と目を細める。
○…農業を営みながら、消防団に入団したのは33歳の時。「当時、この地区の分団長をしていた叔父に誘われて断れなくて」と笑うが、先輩や同僚の団員たちとの懇親は「農家をしていただけでは出会えなかった様々な業種の人々から学ぶ機会を頂いた」と懐かしそうに語る。けれども、消防団の出動は昼夜を問わず、時には仕事より優先しなければならない時もある。作業小屋にも防火服などを用意し、いつでも備えを忘れない。「これまで悲しい事故や火事に何度も直面してきた。なくすことは難しいが、地域に一番身近な自分たちが1分でも早く現場に到着することで、少しでも役に立てたら」。
○…農作業に加え、消防団や農業協同組合など忙しい日々の息抜きはゴルフ。「下手の横好き」と謙遜するが、今でも月1度は仲間とコースに出向くという。また、今の楽しみは再建の進む久末神社。囃子連の代表として「はやく例大祭でお囃子を披露したいね」。静かな語り口ながら、優しさのこもった笑顔で語った。
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4月26日