近年の台風などによる区内の道路冠水や床下浸水の多発を受け、高津区は、来年度「土嚢ステーション」を3カ所、2021年度までに15カ所新設していく。これまで、区道路公園センターのみだった土嚢配布場所を増やすことで、有事の際に区民が対策を講じやすくなることを期待する。
現在、高津区は、豪雨や台風のときに区道路公園センターで土嚢の配布を行っている。同センターまで土嚢を取りに行く必要があるため、自動車がない人や高齢者は利用しにくい状況だった。
同センターによると、1度の豪雨や台風で土嚢を取りに来る件数は5件から10件。1件当たり5袋から20袋持って行くという。担当者は「件数は多くないが、土嚢を取りに来られる人が限定される」と話す。
「近場に備え必要」過去被害など見て設置
土嚢ステーションの設置場所は、過去の浸水場所や土嚢を取りに来た人の地域をみて決めていく。
1カ所あたり100袋を設置。在庫など管理は区道路公園センターが担当する。区は来年度の設置場所を「調整中」とし、梅雨入り前の6月までに設置を完了したいとしている。区担当者は「設置場所は住民から要望があれば必要に応じて追加の対応をしていく」という。
独自で取り組む町会も
一方、独自で土嚢を保管する町会もある。
北見方町会は、大型台風の予報が出ると会員たちが協力。区道路公園センターに土嚢を約100袋取りに行き、必要な住民に配布していた。同町会の藤原忠興会長は「冠水しやすい地域。何か対策を打って行かないと」と危機感を募らせていた。
道路冠水や床下浸水の被害が出た2017年の台風を機に、現在は区に相談し、町会の公民館で土嚢を保管している。藤原会長は「毎回道路公園センターへ取りに行くのは困難。近場に土嚢置き場は必要で、対策も打ちやすく、住民との協力もしやすくなる」と話す。区担当者は「近年は短時間で降水量があがり、急激に川の水位が上がる。ステーション設置が迅速な対応、自助共助にもつながってほしい」と話す。
市内初の取り組み
市内では、交番での保管や一部自治会から要望を受けて設置した例もあるが、「土嚢ステーション」の設置は初の取り組み。
他都市では、横浜市西区や世田谷区、板橋区などで取り入れている。
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