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多摩川の「アユ釣り」年間の釣果10,000匹を目指す 井田 政男さん 川崎漁協高津地区所属 75歳

掲載号:2019年6月7日号

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次代に繋げる「横綱の矜持」

 ○…今年も6月1日に解禁となった「多摩川のアユ釣り」。コロガシと呼ばれる手法で、沢山の太公望たちが自慢の腕を揮う中、ひと際キレのある竿裁きが人目を惹く。「ちょっと前の大雨で状況は良くなったとはいえ、全体的には水温も水位も低く、鮎のサイズも小ぶりだね」と、クリップオンタイプのサングラスの向こうで苦笑いをみせる。

 ○…子どもの頃から川釣りを好み、勤め人を退いてからはシーズン中のほぼ毎日、宇名根近辺の多摩川流域で鮎と戯れる。ちなみに昨年の延べ釣果は8千5百匹。15年ほど前には9千5百匹を釣り上げた事もあり「年間釣果1万匹」は長年追い求める夢のようなもの。今シーズンは前出の事情もあり実現はかなり望み薄といった様相だが「夏以降に期待だね」とわずかな希望を抱き、腕を撫す。

 ○…「コロガシ釣り」において、アタリを見分ける微妙な感覚がとても重要なのだとか。これを天性持ち合わせ並外れた釣果を挙げる名人級の腕前につけられたあだ名は「横綱」。釣具や技術の研究にも余念がないが「聞いてくれれば教えますよ」と秘策を隠す素振りさえ見せずニッコリ。一方で「川魚、食べるの苦手なんだよね…」と、驚愕の一面も。釣り上げた鮎は近所に配ったり、お祭りなどの際に塩焼きで振舞ったりしているのだとか。

 ○…自宅は宮前区だが「スカウトされたんだよ」と、川崎漁協高津地区に所属。鮎が産卵しやすい環境を整えるため遡上ルート(魚道)の整備や、生態調査などといった、環境保護活動にも熱心に力を注ぐ。そこには長きにわたり慣れ親しみながら、高度成長期には生活排水等が流れ込みアユ釣りなど全くできる状態になかった多摩川の環境良化を心から喜び、これを次代へと繋げようとする、強い想いが感じられた。

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