連載221回 「くにこ」の県庁見聞録 勤務医師と製薬会社
くにこ)ワセダクロニクルという探査報道サイト見た事ありますか?
司会)いいえ。探査報道?
くにこ)ええ。今新聞や雑誌などで取り上げられている注目すべきサイト。自ら課題を掘り起こして、取材・研究・分析などを行い報道するんです。ワセダクロニクルは過去には強制不妊手術報道で、現在は医師が製薬会社から受領した金銭をデータベースにまとめて公開している、医師と製薬会社のマネーデータベースが大きな注目を集めています。
司会)ああ、新聞や雑誌でマネーデータベースって言葉を見ましたね。
くにこ)2016年に製薬会社がHPで公開している講演料・コンサルタント料・原稿料などの名目で支払った金額を、医師別、学会別に名寄せして、分析したんです。その結果は、驚くべき内容!
司会)どんな?
くにこ)2016年、製薬会社から医師に支払われた総額が266億円。年間1千万円以上受け取った医師は96人。その8割が大学教授。2千万円以上受領者が6人。大学教授、学会幹部、病院長など医学会で影響力が強い医師たちに多額の金銭が渡っているんです。全国の医師数は30万人。ほんの一握りの医師が勤務外アルバイトとして製薬会社から多額の金銭を受領している。これを知って不安を覚えない患者はいないはずです。血友病患者が問題ある血液製剤によりHIVに感染したあの大きな事件を連想してしまいますよね。
司会)そうですよ。お金をもらっているからって効果がない薬を処方されたらたまりませんよ。
くにこ)ですよ。アメリカではサンシャイン法により医師に10ドル以上の金銭を支払ったら製薬会社は公表する義務がある。でも日本にはそういう法律がないんです。だから、「講演」や「コンサル」といった名目でお金が垂れ流され、その分は薬価として、私たちが払わされる。なんと、県立病院にも年間で1千万も製薬会社から受領している医師がいるんですよ。びっくりして、今、これを追及中です。合法なのか?どうかを含めて。
司会)本当ですか?
-続く
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3月29日