ストーンアート作家で夏休み工作講座の講師を務める 小林 康人さん 下野毛在住 81歳
「喜ぶ顔」想像してデザイン
○…川や海辺で拾ってきた石に絵を描くストーンアートを始めて十数年。200点近くある作品で圧倒的に多く描かれるのがフクロウ。「描きやすいというのもあるけど、他の鳥にはないユニークさがある」と嬉しそうに語る。色で塗りつぶさず、石肌を活かすことがこだわり。「石には表情がある。何を描こうか考える石もあるし、見た瞬間『しめた!』と思うこともある」。閃きや熟考する時間も至福のひと時、とその表情が物語っている。
○…地元ゆかりの富士通に入社し工業デザイナーとしてさまざまな工業製品のデザインを手掛け活躍してきた。印象に残る仕事は高速道路に設置される非常電話機。20代後半の時だ。「高さはどうか、重さはどうか。蓋を開けた時に雨が入らないように。もちろん、見た目もカッコよく。そうした条件を解決していくことがデザイナー」と仕事に誇りを持つ。非常電話機は今も当時のまま設置されている場所もある。「人の役に立つのは嬉しい」と笑顔を見せる。
○…東京生まれ。戦時中は小学校が空襲で焼け、山梨や静岡へ疎開。戦後は千葉へ移住した。「中学では授業の半分はみんなで運動場整備。そんな時代だったね」と振り返る。絵を描くことが好きだったが、それを学ぶ学校や活かす職業を知らなかった。大学は園芸学科へと、進学を決めかけていた年末。先生から『意匠科』を教えてもらい、学科で学ぶ先輩を訪ねて話を聞いた。「全く新しい分野。俄然興味が沸いた」。1年浪人の末、千葉大意匠科へ進学した
○…10年ほど前、自宅隣に『アトリエ』を作った。作業兼作品展示場で作品がずらりと並ぶ。「今作りたいのは『クラゲ』。CG作品にも挑戦し始めているんだ」と嬉しそう。溢れるアイディアを作品で表現していく。
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3月29日