市が昨年行ったアンケート調査(回答数869人)によると「土砂災害や洪水による自宅の災害リスクを把握している」と回答した人は約2割。一方で、「平成30年7月豪雨」で住宅地が大規模に冠水した地域の浸水範囲は、洪水ハザードマップのほぼ想定通りだったという。「ハザードマップはなぜ見られないのか」―。自宅周辺の地図を使い、危険個所を学ぶワークショップを区内で開催する(一社)減災ラボの代表理事、鈴木光さんに聞いた。
地図はどんどん汚して
「当然ですが、ハザードマップの範囲は高津区。自分の家を探すのは難しく、自分事として捉えにくい。さらに、ひとりで見ても不安しか残らない。『どうしようか』と誰かと話し合える環境で見たいですよね」と鈴木さん。
そんな視点から鈴木さんが考案したのが「my減災マップ」。自宅周辺の地図(各種ハザードマップ)とクリアファイルを使用し、避難所や危険個所、浸水区域などをシールでマーク、またはファイルに書き込んでいく。縮尺は「自分の家がわかる程度(5千分の1)」、用紙は「持ち帰りできるA3」で作ることが特徴。
危険個所、避難所までのルートなどを参加者で確認し合う中で、重要な役割を果たしているのが、書き込む、シールを貼るという作業だという。鈴木さんは「この作業が皆さんの“ものを作りたい”欲を刺激するんです。災害と向き合うのは怖いこと。だからこそ、リスクを知る時はひとりではなく、誰かと楽しく対策を考えてほしい」と話し、さらに「きれいな地図は頭に入らない。どんどん汚して」と笑う。
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