新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した中小企業から、川崎市への経営相談が3月に入り、急増している。窓口への相談件数は23日までに900件に迫り、市は支援策として新たな融資制度を導入するなど対策を講じている。
新型コロナの感染拡大を受け、川崎市は1月30日に経営相談窓口を設置。2月末までの相談件数は9件だったが、市が新たな融資制度を表明した3月2日以降、相談が急増。イベント関連企業や飲食店などから資金繰りの悪化に関する相談などが目立つという。
新制度は融資限度額を従来の8千万円から2億8千万円に引き上げ、金利を0・9%から1・6%の低金利に設定。信用保証料率を市が全額補助する。融資には市の認定が必要で、1カ月の売上高が前年比15%以上減少見込みであることなどが条件。認定は窓口での書類申請が必要で、3月23日時点で237件が認定され、57件に融資が決まった。川崎信用金庫など市が指定する26の金融機関が融資を行う。
中国でコンサルティング業を手掛ける幸区の会社の代表は「1月から3月まで予定していたイベントは中止し、4月以降もめどが立たない。当座の運転資金が必要で相談をした。直近の2月の売上はコロナの影響が出る前で前年比減にならず、条件に合わないが融資が受けられるのか」と不安を口にする。市担当者は「市の融資制度だけでなく日本政策金融公庫の無利子の融資も利用し、対応してもらうしかない」と語る。
川崎市産業振興財団の中小企業サポートセンターは、経済の低迷が長引くことで仕入れに影響が出る製造業などの業績悪化が拡大するとみる。08年のリーマンショック以降の3年間は市内の倒産企業が100件を超えた。同センターの担当者は「リーマンショックのときと違い、この状況が長引けば一気に倒産する企業が出るかもしれない。危機を脱するにはここで設備投資をするなどの覚悟が必要」と話している。
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