高津警察署長に就任した 鈴木 公人(ひろひと)さん 溝口在住 59歳
集大成の地、走り抜く
○…高津警察署に着任して約1カ月。地域をまわり関係団体や住民らと触れ合う中で、高津署に対する大きな信頼や親しみを感じた。「地域の方々と歴代の署長が関係を築いてきたからこそ今がある。大切に引き継いでいきたい」と気を引き締める。これまで高津区にはあまり所縁がなかったが、街の魅力や課題も少しずつ見えてきた。バトンを受け取り、加速を始める。
○…神奈川県出身。高校卒業後、神奈川県警の採用試験を受けた。実力評価する警察は、大きなやりがいを感じられたという。「署長になれるなんて思ってもいなかった。そんな器じゃない」と謙遜するが、署長は今回で2度目。努力を重ね、確かな実績が認められてきた結果だ。上に立つ者として心がけるのは、思ったことを言葉にして発信すること。「署員は治安維持の原動力。感謝の気持ちはしっかりと伝えたい」。柔らかな表情がのぞく。
○…今でも深く胸に残るのは、22歳の時に機動隊として出動した、御巣鷹山での日航機墜落事故。凄惨な現場は想像を絶した。「ディズニーランドのお土産の袋が落ちていて。楽しい思い出だったのに、無念だったろうな」。当時の感情が蘇る。事故を知らない世代に伝えるために、事故現場の写真は今も署長室の机の引き出しにしまってある。「不幸な人を出さない」と初心を誓った自身の姿も映っている。
○…趣味と健康管理を兼ねて、仕事後にランニングをするのが日課。走るのは地理を把握する目的もある。「実際に走ると、危険なところが目に入ってくる」と走りながらも、目を光らせているようだ。来年秋には定年退職を迎える。「警察官として集大成の地。最後まで全力で走り抜く」と力強く語った。
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4月26日