川崎の魅力を一面に描いたカラフルな大漁旗―。市立高津高校定時制の生徒と、同校に協力する地域の有志団体「TEAM NETSUGEN(ネツゲン)」のメンバーが制作した大漁旗が、このほど完成した。
科学自然都市協創連合(東京大学生産技術研究所内)主催の「大漁旗プロジェクト」に参加し、制作したもの。同プロジェクトはSDGsの実現に向け、まちの魅力やビジョンを描いた旗のデザインを自治体ごとに募集し、制作した大漁旗を同大にたなびかせようという企画で、全国から52の作品が集まった。
募集が始まった昨年、同校の福澤萌美路(もみじ)さん(3年)らが「やってみたい」と手を挙げたことから参加が決まり、データ提出にあたり専門的なツールが必要だったため、同校の松本智春教諭がネツゲンのメンバーでグラフィックデザイナーの村瀬成人さんと光武勉さんに協力を依頼。村瀬さんがデザインのアイデアをラフに起こし、光武さんや生徒らと打ち合わせして制作が始まった。
大漁旗は「川崎のシルエットは魚に似ている」という村瀬さんの発想から、多摩川を泳ぐ魚をイメージしたデザインに。川崎の地図を区ごとに色分けし、各区の名所や特産物を生徒が考えアイコンとして制作し、配置した。当時の2年生の生徒一人ひとりがデザインした川崎の白地図を小魚に見立ててちりばめ、光武さんが全体のバランスを取りながら集約し、1カ月ほどで完成に至った。
コロナのため延期が続き、今年7月にオンラインで開催されたフィナーレイベントでチームワーク賞を受賞。8月に市役所で福田紀彦市長に完成報告し、9月15日に大漁旗は学校に返還され、生徒たちにお披露目された。生徒らをとりまとめ、中心となって制作にあたった大橋勇暉(ゆうき)さん(3年)は「学年全体をまとめるのは大変だったが、完成品を見て嬉しくて仕方がない。たくさんの人に見てほしい」と出来栄えに満足げだ。福田市長から大漁旗を船につけて航行させてはどうか、という話もあがり、現在港湾局と実現に向けて調整中だ。福澤さんは「川崎市の大漁旗が川崎の海をめぐるのを実際に見るのが楽しみ」と笑顔をみせた。
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