日本地名研究所=溝口=はこのほど、初代所長の故・谷川健一氏を特集した情報誌『地名と風土』第15号を発行した。
昨年迎えた地名研究所創設40周年と、谷川氏の生誕100周年を記念して企画されたもの。谷川氏は民俗学者で、生前は麻生区に居住。高度経済成長期以降、全国各地で土地開発や合併に伴いもともとの地名が失われていく事態に危機感を覚え、地名を守る運動を始めた。神奈川県と川崎市の協力を得て1981年に初めて市内で全国シンポジウムが開かれ、同年地名研究所の設立に至った。菊地恒雄事務局長は「谷川氏が麻生区に住んでいたことを知っている人も、今ではほとんどいない。改めて地名研究所の成り立ちと、谷川健一という存在を再確認する機会になれば」と思いを話す。
同誌は「谷川健一論の現在」、「谷川健一を語る」の二本立てで、研究者らによる論文や、谷川氏と関わった各地の地名研究会の人たちによる思い出などが寄せられている。日本地名研究所編集・発行、岩田書院発売(本体価格2000円)。書店で取り寄せられるほか、日本地名研究所でも購入できる。問い合わせは【電話】044・812・1106。
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