自身のキャリアや経験を生かし高津区で訪問看護チームを立ち上げた 木村 里美さん 千年在勤 44歳
妊婦へのケア体制、拡充へ
○…昨秋、区内千年に訪問看護の拠点を立ち上げた。産前産後の母子から高齢者まで家族丸ごとサポートできるこの取り組み。特に最近はコロナ感染症再拡大などに伴い医療体制が逼迫する中、医療現場の負担軽減にもつながると各方面から期待されている。「民間の訪問看護をもっと頼ってほしいですね」と語る口調にも力がこもる。
○…青森県出身。高校卒業後、看護学校進学のために関東へ。看護師免許取得後も福祉への見識を深めるべく大学に編入。学費を捻出するため医療機関を3カ所掛け持ちで働くなど苦労を重ねてきた。「救急外来の夜勤明けで1限から座学、という日もありましたね」と当時を回顧し笑顔を見せる。大学を卒業する頃には「入院時から退院後の生活をイメージしてもらうような関わりにもやりがいを感じながらも、退院後の体調管理や次の外来までの生活やサポート体制に興味が変化していきました」とも。
○…川崎市内の総合病院退職後、訪問看護師として働きはじめたのも、こうした興味関心がきっかけ。さらに妊娠した際、悪阻(つわり)が酷く心身共に辛い思いをし「自宅で点滴ができたらどんなに楽かと思った」という経験も、後に立ち上げる訪問看護チームの礎となったのだとか。
○…自身のキャリアの集大成ともいえるこの訪問看護チームは、とりわけ周産期の母子向けの産前産後ケアに注力している。近年、妊婦の悪阻が原因の諸症状にしては、主治医の訪問看護指示書があれば医療保険を適用して辛さを緩和する点滴を自宅で受けることができるようになった。だが、この仕組み自体の認知度が低く「まずは(妊婦が)自宅でケアが受けられることを周知していければ」と、当面の目標を語ってくれた。
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4月19日