川崎市は、市内でも患者数が急増している風疹(ふうしん)の緊急対策として、これまで妊娠を望む女性とパートナーに限定していた抗体検査の無料対象を、30〜50代男性にも拡大した。県内自治体では初めてワクチン接種率が低いとされる世代にも対応することで、いち早く感染を食い止めたい考えだ。
風疹は、関東を中心に7月頃から感染が拡大。川崎市の患者数は昨年ゼロだったが、今年は8月に患者の累積報告数が10人を超えると一気に増え、10月初旬に50人を突破。今月2日時点で96人に達した。県内の患者数は343人で、11月28日時点で132人の横浜市とともに突出している。
市は緊急対策として、妊娠を望む女性とそのパートナーに限定していた、風疹の抗体検査を無料で受けられる対象に、30〜50代の男性を追加した。
対象の世代は、医療制度の変遷によりワクチンの接種率が低いとされている。2日までの今年の市内性別・年齢階級別患者数でも男性報告数80人のうち、同世代が67人と8割以上を占めている。
市感染症対策課によると、県内で1600人以上の患者を出し風疹が大流行した2013年に、川崎市は当時も緊急対策として23歳〜39歳の男性に対象を拡大してワクチン接種事業を実施。4月の開始から3カ月間に接種者が集中した結果、全国よりも早く5月初旬から患者数が減少した。
市は当時のデータ等をもとに今事業費に8千万円を算出。開会中の第4回市議会定例会に補正予算として計上した。12月3日に事業を開始し、来年3月31日まで継続する。
市健康安全研究所の岡部信彦所長は「風疹の抗体は時間の経過とともに弱まる性質を持つ。抗体を持っている人が予防接種しても問題ない」と解説。市内協力医療機関の宮前区の医師は「風疹は予防可能な感染症。ワクチンを受け、免疫を獲得しておくことが重要」と、積極的な検査受診、ワクチン接種を促している。
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