川崎市が大気中の放射線量の測定を川崎北部でも開始した。市南北の数値を計測し、風評防止などに努めたい考えだ。
測定場所は麻生区百合丘の「弘法の松公園」内にある麻生大気測定局。川崎区田島町の川崎市公害研究所に続いて、川崎市の放射線量の測定は2ヵ所目。1時間ごとのデータを同市ホームページ上などで公開している。
川崎市役所には市民から「北部では測定しないのか」といった問い合わせや要望が、電話やメールで寄せられていたという。
新たに追加された同測定局は標高104mで、これまでにも大気中の汚染物質の測定などが行われていた。測定する屋上の位置は地上約3m。測定局の中でも比較的低く、地理条件も良いことから同測定所が選ばれたという。測定器は可搬型で、約10年前に市が購入し所有していたもの。
データの収集と処理は委託をうけた民間企業が毎日午前9時、午後1時、午後4時の計3回行う。収集されるデータは1時間毎の大気中に含まれる放射線量(1時間値)。収集後約1時間で川崎市ホームページと携帯サイト「モバイル川崎」で公開される。
川崎市環境局環境対策課は「東京電力福島第一原子力発電所からは200Kmほどの距離がある。市内北部、南部の情報を公開することにより市民の不安を解消するとともに、風評被害の防止などに繋がれば」と話している。
文部科学省によれば、自然界における通常時の放射線量は、0・03〜0・1マイクログレイ毎時とされている。公害研究所の測定では最高で0・134マイクログレイ毎時(3月16日)が測定されたが、今月は0・039〜0・043マイクログレイ毎時 (6月6日現在)。麻生大気測定局の測定では、0・041〜0・051マイクログレイ毎時の放射線量が測定されている(6月6日現在)。
川崎市はいずれも「健康に影響のあるレベルではない」としている。
測定の期間は今年10月までを予定しているが、今後の状況により延長も検討するという。
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