電気・通信の技術者たちが結成した「多摩科学クラブ」が区内の小学校などで特別授業を行っている。子どもたちの理科離れが叫ばれるなか、科学に興味を持ってもらう秘訣は「触れて楽しむこと」という。
「ラジオのチャンネルもコンデンサーで調整しているんだよ」
今月12日から19日までの3回、下布田小学校の6年生の授業で、同会のメンバーらがLEDを使った回路づくりを指導した。声の大きさをディスプレイに表示したり、ソーラーパネルで発電したりする仕組みも教えた。
同クラブは、中野島在住で元・ビデオ設計技術者である古谷睦男(65歳)さんが子どもたちに科学の楽しさを伝えようと、仲間を募って昨年12月から活動を開始した。会のメンバーは現役や退職した技術者と設計者ら11人。これまでに中野島小学校や中野島こども文化センターでも鉱石ラジオづくりの教室を開いた。
古谷さんは「我々は電気関係のスペシャリストの集まりとの自負がある。しかし、子どもにも分かってもらえるように説明するのが難しい」と話す。
技術者らしく立案・実行・検証を繰り返し、少しずつ指導法を改善していった。「黒板を使った説明から入ったところ、子どもたちが難しそうな顔をしてしまった。実物に触れて楽しんでもらってから、説明する仕組みにしたら、子どもが食いついてくれた」と古谷さん。LEDの回路づくりでは「火傷の危険もないし、子どもでも早く作業できる」とハンダゴテを使わず、セロテープで配線をつなげる方法を採用した。
古谷さんは「世間では”理科離れ”などといわれているが、絶対に理科が好きな子もいるはずだと思ってスタートした。まずは理屈抜きにして、触れて楽しんでもらうことから理科への興味が始まるはず」と話している。
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