3月19日付けで多摩警察署の署長に就任した 五味 勝博さん 56歳
組織力こそ警察の力
○…「自然に囲まれた落ち着いた町」。そんな印象を持つ町だからこそ、署長としての重責を感じている。県警本部生活経済課長などを経て、今回が初めての署長職だ。ピンと伸びた背筋に力強い口調と眼差しが、署長としての風格を漂わせる。「今の犯罪の認知件数は平成14年の半分以下になった。それでも住民の体感治安はまだまだ。身近に起きている犯罪にしっかり対応していきたい」
○…「組織力こそ警察の力」。就任直後の訓示でこう述べて署員の士気を高めた。県警本部で数々の事件、大掛かりな捜査に携わってきた経験があるからこそ出た言葉だ。例えば、横浜・黄金町の売春宿を掃討して全国的にも注目を集めた「バイバイ作戦」では、現場の陣頭指揮にあたった。この掃討作戦では交通や警備、暴力団対策などの関係各所を連携させ、県警一丸となって大きな成果を挙げた。「(罪を犯す)相手も必死。いい加減な気持ちでは取り締まれない」
○…高校生の時に野球に打ち込み、子どもたちに指導することもあった。「子どもたちに、健やかに育ってほしいという思いが原点」。そんな使命感で高校卒業後、警察官になった。何事にも「熱くなる」という性格。「ここまでこれたのは周囲が支えてくれたおかげ」。今は若手警察官を一人前に育て上げることに責任を感じている。「若い警察官が組織の中で孤立しない、孤立させないことが大事」。警察官としての誇りや使命感をもって臨んでほしいと考えている。
○…署長に就任して以来、署の舵取りや地元への挨拶まわりでまだまだ忙しい日が続く。夫人と一人娘を横浜市内の自宅に残し、今は慣れない官舎暮らし。趣味のゴルフもすっかり封印している。「警察署長は地域の治安の責任者。日々、真剣に取り組んでいく」と力強く語る。「安全・安心のまちづくりの実現」に向けて五味流の組織作りが動き出した。
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3月29日