ボランティア団体「きぼう」の会長として、「傾聴」に取り組んでいる 佐藤 俊惠さん 生田在住 68歳
『また来てね』が報酬
○…「相手の話を7割聴いて自分が話すのは3割」。話を受け止め、話し手が多く話せるように耳を傾ける。話すことで話し手は悩みや考え事が整理されていく。それが「傾聴」。会は来年1月で10周年を迎え、自身は会長になって6年目。ボランティアとして27人の会員が多摩区を中心に12施設、7個人宅に出向いて傾聴を実践している。「興味と思いやり」があれば誰でも会員になれる。「悩みを解決するのではなく、そばにいれば十分。『また来てね』と言われることが報酬」
○…会発足のきっかけは市民館で行われた傾聴講座。家族のことを理解したいという人たちが集まった。自身も高知で一人暮らしをしている母の思いを理解したいと参加した。「講座を受けて母には言ってはいけないことばかり言っていたと気づいた」。講座が終わってすぐ、参加者同士の意見が一致して活動が始まった。現在は高齢者を相手にすることが多いが、今後は若者への傾聴も必要と考えている。
○…傾聴を学び、多くの人と向き合ってきた経験が生かされている。「善意と思ってアドバイスし、人を枠に入れようとするのはいけない。たとえ『死にたい』と言われても否定してはいけない。否定すると相手は理由を話さなくなる」。傾聴を通じて物事を「たいら」に見るようになった。「イエスでもノーでもないことが世の中にはたくさんある」と笑顔を覗かせる。
○…「最後まで母のことを理解してあげられなかった。その分、他人を応援したくなるのかも」。そんな思いが活動の原動力になっている。「お年寄りには人生経験がある。道徳や倫理観など興味深い」。とはいえ、高齢者の中には様々な事情を抱え、複雑な心情を抱いている人も少なくない。だからこそ伝えたい思いがある。「高齢になっても夢を持つことは大事。きょう1日を生きていくだけで十分。そんな夢を持った1日を多く過ごしてほしい」
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4月19日