3月11日付で多摩警察署の署長に就任した 寺澤 陽公さん 53歳
仕事の意義、次世代へ
○…署員総勢約200人の指揮を執る立場として気を引き締める。「しっかりやっていこうと、大きな責任を感じている」。就任直後の挨拶では「誠実」「協力」「成長」の3つのキーワードを挙げ、警察官としてのあるべき姿勢を説いた。「住民の視点で誠実に徹することが大切。足し算ではなく掛け算の力が出るように協力して仕事を進めること。そして警察官としての仕事を通じ人間として成長してほしい」
○…物腰が柔らかな口調、そしてスポーツで鍛えられた体は背筋がピンと伸びる。趣味は走ることでフルマラソンにも参加するほど。警察官になってから、機動隊に配属されることが多く、署長職に就任する前は県警第一機動隊の隊長だった。成田闘争から長野オリンピック、横浜のAPECなどを経験。高まるテロの脅威にも向き合いながら体力も知力も備えてきた。「国の威信がかかった仕事に携わることができた。その責任を果たした達成感は大きい」
○…長野県出身。中学生の頃は野球部。高校生になると一転、演劇部に入部し、劇やバンド活動に打ち込んだ。「(少年時代は)大人しかった気もするが、兄の影響もあって、やんちゃで目立つことが好きになったのかな」。そんな高校時代、犯人を追って刺されても手を離さずに殉職した警察官のニュースに突き動かされた。「命がけでやる仕事だと思い、その気概に憧れた」。1980年4月に神奈川県警に採用された。
○…「マラソンに例えると、(警察官として)これからラストスパート。後に続く人へ仕事の意義を伝えていきたい」。多摩区の住民が求めているのは「安心で安全で住みよいまちの実現」と肌身で感じている。次世代の警察官を育てるため、「自分が信頼されないといけない。そういう振る舞いを心掛け、署員の気持ちにも寄り添うことが大切」。寺澤流のかじ取りが動き出したところだ。
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3月15日