川崎市 小型家電を宅配で回収へ 都市鉱山を有効に活用
宅配便を使って家庭に眠る小型家電のレアメタルを効率よく回収――。こんな取り組みを川崎市が始める。今月13日、家電リサイクルを手掛けるリネットジャパン(株)と協定を結んだ。国の指針と比べて回収率が低いのが川崎市の実態だ。宅配回収が打開策となるのか。
携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機などの小型家電には銅や金、銀のほか、レアメタルといわれる希少金属が含まれている。日本全体で年間に廃棄される小型家電は約65・1万トンと推定される。その中に含まれる有用な金属などは約27・9万トンで金額にして約844億円分に上るという。
ただ、これまで約半分が廃棄物として埋め立て処分され、約2割が違法な回収業者によって不適正に処理されていた。さらに相当量の小型家電が廃棄されずに家庭内にあるとみられる。
こうした背景から、国は「小型家電リサイクル法」を制定し、13年4月1日に施行。国は15年度中の指針として、国民1人あたり1キログラムの小型家電の回収をすることを示した。
川崎市では、13年10月から回収を開始。区役所や生活環境事業所など市内18カ所の拠点で回収事業を行ってきたが、なかなか回収が進まなかった経緯がある。14年度の川崎市の実績は4261キログラムで指針とは程遠いのが実情だ。
今回の協定は「市民の排出方法の選択肢を広げる」のが目的。インターネットで申し込むと宅配業者が回収する仕組みで、回収対象はパソコンや携帯電話、プリンター、DVDプレーヤーなど400品目以上。3辺合計140センチの箱に入れて重量20キロ以内であれば何点でも回収可能。但し、回収費用として1箱880円(税別)かかる。
リサイクルマークの無いパソコンは廃棄処分に料金がかかるため、市の担当者は、「リ社は国の認定事業者で信頼ができ、有料になるが依頼すればデータ適正消去等の証明書ももらえる」とメリットを強調する。
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4月19日