今年の冬に新型のノロウイルスが大流行する可能性があるとして、川崎市が市民に注意を呼び掛けている。昨年3月に市が発見した新型ウイルスが主流種になる可能性があるため。高齢者や乳幼児だけでなく幅広い年代で感染が広がる恐れもあるという。
ノロウイルスは、冬場に患者数が増える感染性胃腸炎の一種。高齢者や乳幼児を中心に激しい嘔吐や下痢を引き起こす。通常は症状が1日から2日続いて回復するが、まれに重症化し、死亡に至るケースもある。
近年の主流のウイルス型は「GII・4」だったが、川崎市の研究チームが昨年3月に変異体を発見した。国立感染症研究所などと共同でさらに詳しい調査・検査を進めた結果、新種ウイルス「GII・17」と断定した。
ノロウイルスは遺伝の変異をおこしやすく、新種が生まれやすいといわれている。新型に対する免疫がないため、高齢者や乳幼児だけでなく、抵抗力の落ちた大人にも感染が広がる恐れがあるという。2006年にノロウイルスが大流行した際も「GII・4」が初めて主流になった年だった。
市によると、今年1月から同新種の感染者が増え始め、流行期間を過ぎた1月末頃からは全ての患者がこの「GII・17」になっていたという。こうした要因があることから、市はシーズンを前に、市民に注意を呼びかけた。
健康安全研究所の担当者は「大流行というのはあくまでも可能性の一部。主流種になるのが遅い場合も過去にはあったが、流行する可能性はあるだけに注意は必要。手洗いなど、ごく当たり前のことが最も有効な予防手段になるので今から習慣づけを行い、対策を徹底してほしい」と話している。
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