多摩警察署(寺澤陽公署長)管内で交通事故が急増している。10月中に管内で発生した事故は月間として今年最多の64件を記録。累計でも昨年同時期を上回るペースで増加し、川崎市内の警察署管内では最多となる。特に自転車と二輪車がかかわるケースが増加し、同署は区民に注意を呼び掛けている。
今年10月までに多摩区で発生した人身交通事故462件は、昨年の427件と比べて8・2%増加した。特に道路交通法を改正した6月以降に増加し、10月まで昨年比を上回る件数の事故が発生した。
特に二輪車や自転車がかかわる事故が多い。二輪車の事故は148件と全体の31・6%を占め、自転車は138件と全体の29・4%を占めている(11月5日現在)。同署によると、主な原因は自転車の信号無視、一時停止標識無視、雨の日の傘差し運転などが目立つという。今年6月1日に道路交通法が改正されて以来、自転車の交通ルール違反者の取り締まり件数も増加。6月以降、自転車の違法運転に対する指導警告件数は391件、検挙件数(赤切符)は10件にのぼるという。
また、今年の発生件数の27・5%にあたる129件が65歳以上の高齢者による事故だった。
10月に発生した事故を道路別にみると、64件のうち、最も多いのが「一般市道」で27件。次いで「府中街道」が16件、「世田谷町田線」が10件と続く。地区別でみると「登戸」が15件、「生田」が9件、「宿河原」が6件だった。時間帯別では計22件が午前8時〜正午に、計21件が午後2時〜6時に発生しており、通勤や通学で交通量が増える時間帯に集中している。
交通事故の増加を受けて多摩署交通課は、世田谷町田線の道路情報掲示板で「交通事故急増」と表示して啓発を開始した。パトカーによる区内巡回も強化しているという。
同課の担当者は「家庭や職場などで、交通安全について話す機会を作ってほしい。自分の身に災難が降りかかる前に、お互いに『ルールを守ろう』と声を掛け合うことが大事」と話している。
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