教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せ、謝礼を渡していた問題で、川崎市教育委員会は昨年度末、2009年度から14年度にかけて小中学校の教員延べ83人が閲覧し、金品を受け取っていたと明らかにした。
うち13人は採択に関わる「調査員」を務めていたこともわかった。市教委は「採択する上での影響はなかった」としている。文部科学省から調査依頼があった延べ90人のうち、83人に閲覧の事実が確認された。残る7人は退職などで連絡が取れなかった。意見の見返りとして受け取った謝礼や交通費は、「5000円程度」が56人、「1万円程度」が20人、「2万円程度」が7人いた。謝礼を返金した教員もいるという。
採択に関与しうる立場の13人は、使用する教科書を研究・調査する「市町調査員」11人と、「県調査員」2人。「調査員」は使用する教科書について調査し、客観的な判断に基づいて報告書を作成。教科書の選定審議会に提出する必要がある。市教委によると、最終決定は教育委員会の責任と権限に委ねられているため、調査員に対する金品授受による採択への影響はないという。市教委は再発防止に向け、「教員に注意喚起し、公平性・透明性の確保を徹底する」としている。
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