市政報告 子どもの貧困、実態把握を 川崎市議会議員 自民党 ひろた健一
日本では現在、子どもの6人に1人が貧困と言われています。しかし、見た目ですぐに貧しいことがわかるような子は少なく、実態と実感が未だ一致しないという人も多いのではないでしょうか。
冒頭で示した数字は、平均所得の半分以下の世帯で暮らす18歳未満の割合を指す「子どもの貧困率」です。厚生労働省によると、2012年は16・3%で、調査を開始した1985年の10・9%と比べて1990年代の半ばごろから上昇傾向にあり、過去最悪となってしまいました。
非正規雇用やひとり親世帯などで低収入の子育て世帯が増えたことが社会的背景と考えられています。
これに対応するため、国では2013年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立し、2014年1月に施行されました。
川崎市、初の大規模調査へ
川崎市では具体的方針の一つ「川崎市子ども・若者ビジョン」の中で、貧困への対応として「生活が困窮しているために自分の居場所を見いだせない子ども・若者への支援」や「子どもの貧困対策と世代を超えた貧困の連鎖の防止に向けた取組」を推進することを明記しています。しかし市では、市内のひとり親世帯の進学率や就職率、奨学金制度の周知状況、低収入世帯の生活実態など、詳細が把握できていない部分もあります。このため、川崎市でも具体的な生活実態を把握するため、初の大規模な実態調査を行うことが決定しています。
私自身、地域のこども会会長や学校でPTA会長を務めた経験から、子どもの貧困問題は教育や就労、経済的困窮など多くの問題につながっていると考えています。だからこそまず、正確に実態を把握することが有効な施策へとつながります。
また、貧困対策は行政による経済的な支援だけでなく、家族や友達、地域とのつながりなどを通した精神的な支援も不可欠です。
全ての子どもたちが、生まれてきた環境や経済状況に関係なく、十分な教育を受け、経済的な自立に向けて成長できる社会を実現していかなくてはなりません。そのためには市民一人ひとりが問題意識を持ち、地域ぐるみで支えていく仕組みが必要です。
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3月29日