初詣に訪れる人の目を楽しませる提灯の列。靖国神社や明治神宮に飾られる提灯に出資者の名前を筆で書いていく、菅のまちの筆文字職人・金丸繁吉さん(73)を訪ねた。
提灯に囲まれて黙々と筆を進める。1本の筆で太字と細字を使い分け、リズムよくトメ、ハネ、ハライを繰り返す。毎年3000個以上の提灯を神社などに納品しており、繁忙期は正月前から7月の靖国神社のみたままつりまで続くという。「筆文字を書くのが好き。忙しいけど、楽しいから続けられる」と金丸さん。
地元でも「菅フリマ」の横断幕や「歳の神」の告知看板、子之神社演芸プログラムの題目など、枚挙にいとまがないほどまちの催しの際には看板を書き続けてきた。
金丸さんは、青森県出身。15歳で集団就職のため上京し、東京都千代田区の米問屋に住み込みで働いた。筆文字職人に興味を持ったきっかけは、職場の隣にあった160年の歴史を持つ提灯問屋「吉野家商店」。7代目の吉野喜一さんと同年代ということもあり、兄弟のように共に育った。「ずっと隣で見ていたから、興味があった。自分も書いてみたかった」。41歳の時に習字教室に通い始め、特進と呼ばれる飛び級を繰り返し、初等部師範の免許状を取得。そこから地元での看板書きが始まった。「全てボランティア。練習させてもらっていた」と振り返る。
次第に吉野家商店の仕事場にも出入りを許され、職人の技を見て覚えた。今では、手伝いとして筆を握る。「自分で気づくから格好よく書けるようになる。でも、出来に納得したらそこで終わり」と金丸さん。
金丸さんは自身を職人とは考えていない。米問屋は定年を延長して70歳まで勤め上げた。「人は職人と言ってくれるけど、自分はまだまだ。一途に続けていくよ」と目を細めた。
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