川崎市は、川崎駅周辺エリアを中心に、既存の建物などに付加価値を付けて改修する「リノベーション」と呼ばれる手法を使ったまちづくりを推進している。昨年末に不動産オーナーに呼びかけを行い「リノベーションまちづくり検討会」を発足させ、先月には「リノベーションスクール」を開催。空きビル対策と共に創業者の育成を狙う。
リノベーションは、新しく建築するよりも低コストで済む点がメリット。まちの交流の場としてのカフェなどが入り、雇用の創出など地域課題の解決に一役買う。2010年頃に北九州市でまちづくりに活用して注目を集め、全国各地で取り入れられている。川崎市でも、病院を活用したホテルや、ビルと倉庫を使った体育館などの複合施設、ビルを改修し、バーベキューなどができるレンタルスペースなどがあり、新たな観光客の創出や創業支援に役立っている。
市によると、川崎駅周辺エリアは、建物の老朽化や空きビルの増加が目立ち、夜間の防犯面などを心配する声が寄せられている。
こうした背景をもとに、市では昨年12月から地元の不動産オーナーや事業者などが参加する「リノベーションまちづくり検討会」を開催。検討会では、リノベーションの必要性や事例を学び、同エリアのまちづくりの目指す方向性を考えている。
2月には、企業活動にほとんど使われていない既存の遊休不動産を対象に、具体的な事業案を練る「リノベーションスクール」を開催。市内在住者を中心に、建築や飲食業関係者、主婦など10代から40代の参加者が事業化を目指し、不動産オーナーに対して提案を行った。
市は今後、遊休不動産の調査やリノベーションスクール開催を通じた事業化を目指すとともに、市全体のまちづくり推進を後押ししていきたいとしている。
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