小田急向ヶ丘遊園駅と東急たまプラーザ駅(横浜市青葉区)を結ぶ新路線バスが、半年間の社会実験を経て、4月から本格運行される。川崎市交通局と東急バスの共同事業で、対象路線は「た83系統」。平日8往復、土曜と休日は12往復を交互に同じ便数ずつ担う。
買物客に照準
両駅間を乗り換えなしで往復できる、新たな交通手段として始まる同事業。2017年度の市予算案に盛り込まれた市バスネットワークの推進事業(約5600万円)の一つで、今月17日までの市議会定例会で議決された。
新路線は買い物客を主な乗客に想定しており、既存のバスターミナルが混雑する朝夕の通学、通勤時間を避けた日中を選択。平日は午前11時から午後4時、土曜と休日は午前10時から午後6時前後までに、平均約40分間隔で運行する。
社会実験は昨年8月から1月末まで、本格運行と同じ運行時間、本数で実施。実験後も、3月末まで運行を継続していく。
8月と10月、1月には利用客向けのアンケート調査を行い、1月は約1200人分を回収。1便あたりの乗者人数や満足度、再乗車(リピーター)の需要や新規顧客確保の可能性などを主なテーマに、路線1キロあたりのコストなど採算面、事業性を検証した。
採算・客数で将来性見込む
市交通局によると、1便あたりの利用客数の目安として27人以上を掲げていたが、調査結果では23人程度だったという。担当者は「目標をやや下回ったが、将来性も見込んで採算は確保できる」と分析。「普段は車や自転車を使っている人が、新路線バスに乗る傾向が見られた」と、一定の成果があったことを示した。
また、市バスネットワークの推進事業では、小田急新百合ヶ丘駅と溝口駅(JR・東急)を結ぶ新路線の検討も進められている。同局によると「2カ所の拠点駅を結ぶことで、川崎市北部の利便性や輸送力を強化したい」という狙いがある。現状、両駅を直通で結ぶバス路線はなく、電車で新百合ヶ丘駅と溝口駅を往復するには、登戸駅で小田急線から南武線への乗り換えが必要。直通運行が実現すれば、周辺住民の交通利便性の向上が期待できそうだ。
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