登戸に暮らす広井瑠璃子さん(74)が先月15日、文芸社から『何だかヘンヘンこの日本』を自費出版した。
「当世ながながざれごと綴り」シリーズとされる本作は、「秘密保護法」や「安保法」をキーワードに政治や世情などを小気味よい語り口で風刺する散文集。文庫サイズで、全152ページ。全国の書店で購入できる。
画家でもある広井さんは表紙の絵も自身で手掛けた。「あしたへの風」というタイトルで、第21回国際公募アート未来展で東京都知事賞を受賞した絵画だ。2016年の参院選挙前に「風が吹く」ことに期待を込めて描いたものだった。
広井さんは出版した動機について「参院選で、結局風は吹かなかった。このままでは、戦後に築いた『平和な日本』への信頼が崩れてしまうのではと、現在の政治や世情を大変危惧している」と話す。
広井さんが本を出すのは今回で5冊目。自身が作ったはがき絵をまとめたものや川柳や絵をまとめた「女人賛歌」などを発行してきた。「女性」や「平和」がテーマになることが多く、絵画や詩の他にも、語りや声優などさまざまな表現に取り組んできた。「どれも自分を表現するための手段。根っこは一つ」と広井さん。
広井さんは戦時中に西太平洋のトラック島で生まれた。2歳で日本に戻り、3歳で終戦を迎えた。「戦後に苦しんできた人を見てきた。戦争を知るものとして、戦争は絶対ダメという気持ちが強い」と広井さんは語った。
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