読み聞かせを通じて、世代や立場を超えて元気に――。そんな活動を長年実践してきたのが、シニア読み聞かせボランティア「りぷりんと・かわさき」(黒澤道男代表)だ。2006年に発足、10周年式典を今年開いた。
「りぷりんと・かわさき」は多摩区在住者を中心に65人の会員が所属し、生田保育園や市立菅小学校など区内約30カ所で、年間およそ3千冊の絵本を読み聞かせている。活動が続いているため、保育園から小中学校まで同じ読み手の人に親しんできた子どもたちも少なくないという。
下布田小で指導
市立下布田小学校では、6年生が1年生に絵本の読み聞かせをする交流授業が毎年行われており、その指南役としてメンバーが協力している。同校の千野隆之校長は「日頃の活動に裏付けされたスキルがあるから、生徒へのアドバイスが的確。聞き手に主題が伝わるよう工夫することで子どもたちに理解力や表現力が身についていくのを感じる」と指導を評価する。
発足のきっかけは2004年。認知症対策として読み聞かせを研究していた東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典研究部長(医師)が、シニアの健康づくりのためプロジェクトを開始。藤原さんによると、読み聞かせは物語を理解し、時間内に本を読み終えようとすることなどが脳の活性化につながるという。発声や姿勢を保つことで体力の維持にもなり、何より「絵本を通じた子どもたちとのコミュニケーションが、頭にも体にも健康的」と話す。
メンバーらは発声や立ち居振る舞いなど読み聞かせに必要なスキルを学び、日々実践している。技術指導する専属インストラクターの熊谷裕紀子さんは「大切なのは、物語を正しく解釈すること。感情をフル回転させて読むことが、シニアの老化防止と子どもたちの情緒教育につながっている」と話している。
黒澤代表は「10年間で読み聞かせをしている対象先も増えた。世代交流という点では今後、高齢者施設も活動の対象にしていければと個人的に考えている。先輩が広げてきたこの活動を続けていきたい」と語った。
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