中野島で70年受け継がれる大太鼓が初めて修理され、今月7日の中野島稲荷神社例大祭で披露された。地元の有志による太鼓修理の実行委員長を務めた田村忠蔵さん(68)は「地域の皆さんのおかげ。中野島の宝としてこれからも大事に守り続けたい」と思いを語った。
中野島の大太鼓は戦後間もない1946年に製作。田村さんの父親の世代が浅草の老舗祭具店に依頼したという。修理の話があがったのは昨年の例大祭。「太鼓が傷んできていて、修理したらどうか、我々の代がやらないでいつやるんだという話になった」と田村さん。今年1月に太鼓修理委員会を発足すると、有志27人が集った。
委員らは太鼓修復に向け、地域の各家庭へ寄付を募集。260人が協力し、想定の3倍の寄付金が集まったという。4月には石川県の業者に修理を依頼。直径約106センチのケヤキでできた胴はそのままに、革を張り替え、太鼓を乗せる台を新調した。
お披露目には実行委員をはじめ、同神社奉賛会や青年会、多くの地域住民が集結。一人ひとり順番に新しくなった太鼓を叩くなど、完成を祝った。奉賛会の田村基会長(80)は「神社と地域の宝。青年会と一緒に維持管理をしていく」と話した。中野島小学校の山崎惠子校長(60)は「学校行事でも使わせてもらっている。子どもたちも喜ぶ」と笑顔を見せた。
寄付金の残りは太鼓を保管する小屋の改築に充てられる。小屋は青年会が50年前に建てたもの。17日に解体、来年3月に完成予定だ。
多摩区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|