現役美容師で、「かわさきマイスター20年展」で最後の作品を展示した 三上 峰緒さん 西生田在住 92歳
平和願い、編み続け
○…中国古来の思想や日本の伝統を基に独自に生み出したヘアスタイル「夢のある編み込み」が評価され、優秀な技能者として「かわさきマイスター」に認定されてから16年。90歳を超えてもなお現役美容師として活動し、マイスター関連の催しには休まず出展してきた。今月、最後の作品と称す「天下泰平」の展示を終えた。「長いことやりこなしたといった感じ」と噛みしめつつ、「本当はもっともっと知ってもらいたい」と胸中を明かす。
○…1963年、西生田に店を構えた。テレビで目にした黒人女性特有の編み込みスタイルに感化され技術を習得する中、日本伝統の水引や組みひもを取り入れることを考案。礼法を学びながら研究を重ね、全く新しい編み込み技術を創り出した。以降、講師として全国各地を駆け回り、数千人を指導。中国でも技術指導やヘアショーで活躍するなど、日中友好の懸け橋となった。自身が会長を務める研究会では多くの後継者を育て、「皆、講師や師範になって賞も取っている」と教え子らの成長を喜ぶ。
○…生まれは新宿。付近に芸者町があり、幼少期から華やかな髪型を目にしていた。戦時中はタイピストとして陸軍に勤め、生田にあった登戸研究所で働いたことも。戦後、父からの「自分で生きていくしかない。平和な職業を」との後押しで美容の道へ。「とにかく一生懸命。生き抜くことが大変だった」。若き日の経験が、平和を願う作品のテーマにつながっている。
○…足のけがなどで今後の活動は見合わせている。作品についても「どこか保管できるところがあれば」と模索中。店は53歳になる息子が跡を継ぎ、「研究会も副会長として全部やってくれている。私がいなくなっても大丈夫」と微笑む。一方、街中では間違った結び方の着物姿が目につき、不安を感じることも。「結びには全て意味がある。その意味を知ってもらいたい」。自らの「技」に願いを託す。
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4月19日