川崎市は市議会6月定例会に、一般会計補正予算案を上程した。4月に市民から寄付を受けた1億円を「子ども・若者応援基金積立金」に計上。市は「若者のチャレンジを応援したい」とし、来年度予算に向けて年内に具体的な取り組みを示す方針だ。
市は寄付1億円を含めた総額4億8800万円余の一般会計補正予算案を、市議会に提出。1月ごろに寄付の申し出があり、用途の要望がなかったため市と寄付者で相談し、同基金への積み立てに決まった。
今回の寄付は、存命中の個人では過去最高額。福田紀彦市長は先月28日の会見で、「申し出を受けたときはびっくりした。『未来の子どもたちに使える形がいいのでは』と(本人との)面会で提案させてもらい、『子ども好きなのでそのように使ってもらいたい』と返答いただいた」と説明した。
同基金は子どもや若者への応援、機会格差をなくす取り組みの充実を目指して4月に設置された。当初予算では、競馬・競輪事業の収益の一部と一般からの寄付を見越して3500万円を計上。用途については「今年度から児童養護施設で生活する子どもに対し、学習や進学などの支援に活用する」のみとしていた。
市こども未来局は「この基金は本来、子どもや若者たちの『生活の下支え』と『チャレンジ応援』の2本柱。児童養護施設だけでなく市全体に対象を広げて、さまざまな分野での挑戦を後押しする使い道も模索している」と方針を示す。
本人の意向で性別、年齢などを含めた寄付者の情報は非公開としている。
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